
耳は、外耳道、中耳、および内耳の3つの部分で構成されています。耳は「音を聞く」という機能を担っているほか、体の「平衡感覚」を司っている半規管と連結している大切な感覚器官なのです。
鼻は匂いを嗅ぐ機能を有するだけでなく、呼吸器官としても大切な働きを担っています。鼻は肺や気管を守るために吸った空気を十分に温め、加湿し、ウイルスや細菌、埃などが体内に侵入するのを妨害してきれいな空気を肺に送り込む、言わばフィルターのような役目をしています。
喉は食べ物を食道や胃に送り込む役割と、肺に空気を届け、また言葉を発する役割を担っています。さらには、口から入ってきた細菌やウイルスの体内への侵入も防いでいます。いずれも、とても大切な働きです。
風邪の診療に一番相応しい診療科目は、耳鼻咽喉科です。風邪の症状である、喉の痛み、鼻炎、咳などは、言うまでもなく喉や鼻に起こっており、耳鼻咽喉科の専門領域なんです。
アレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因となる物質)を吸入することで、抗原と抗体が鼻の粘膜で反応し、鼻症状を起こすのがアレルギー性鼻炎です。風邪と違って、のどの痛みや熱などは伴いません。アレルギー性鼻炎(通年性)の原因はハウスダスト(家の埃やダニの糞・死骸など)です。ペットの毛やフケ、カビも原因となります。スギ花粉やヒノキ花粉などが原因となる花粉症もアレルギー性鼻炎の一種です(季節性)。
いびきの音源は、喉(上気道)です。空気の通り道である「上気道」が何らかの原因で狭くなることによって、いびきは生じます。狭いところを空気が通ろうとすると、空気抵抗が大きくなり、呼吸をした時に喉の粘膜が振動して音が生じます。
人間は自分の周囲の空間や位置を目・内耳(平衡感覚にとって大切な三半規管や前庭は内耳に存在します)・手足の関節などで感知し、その情報を脳に伝え、脳で統合し、微妙な体のバランス(平衡覚)をコントロールしています。この仕組みのどこかの具合が悪くなると平衡バランスが崩れ、めまいとして感じられることになります。